序章

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      ☆ 世界でもっとも安全な国――『日本』。 そう呼ばれていたのはもう、何年も昔の話――。 時は2120年。 日本が進化を止めてからすでに百年が経とうとしていた。 日本は科学の進歩や産業の発展は百年前と殆どが変わらず、唯一この百年間で変わったことと言えば、人口は約半分以下の約六千八百万人となり、経済の低下、雇用の劇的な低下くらいだろう。 そのため、職を失った者やできなかった者たちは生きるため窃盗、強盗、麻薬の密売などの犯罪に手を染めていった。 犯罪件数は年々右肩上がりと、もはや国として成り立たなくなりつつあった。 これを重く見た総理はこんな法案を提出した。 『新たな試みとして、イギリス、ドイツ、アメリカと協力し合い新たな就職口として世界的大規模な機関を設立する―――わかりやすく言うならば、新たに警察や自衛隊に並ぶ機関をつくる』――と。
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