第1章

2/32
前へ
/39ページ
次へ
俺、竜宮永児(リュウグウエイジ)が『浪川(なみかわ)学園』に入学してから、早くも二週間が経とうとしていた。 色鮮やかに咲く桜の花や、他校の生徒らしき集団はまだ制服を着慣れていないのか、少しぎこちない感じで登校する光景があちらこちらで見かける。 まさに、春。と言った感じだ。 そんな中、その光景の中に不釣り合いな学生が一人いた。 それが俺、竜宮永児だ。 それもそうだ。 グレーと赤を基調としたブレザーとズボンこれが俺の通っている浪川学園の制服だ。 これを着ている時点でそりゃ周りから浮いてしまう。 理由は簡単、浪川学園は警察と同じ……いや時にはそれ以上の力を持った特別なところだからだ。 『対テロ犯罪抑制武装学園』それがこの学園の本当の名前。 世間からは学生版SAT(サット)とも呼ばれている。 制服だけでも目立ってしょうがないのに、俺の髪の毛の色は見事な青髪、目つきは悪くつり上がっている。 その姿はとてもではないが、入学してまだ二週間とは思えない姿だ。 だが、俺にもそれは分かっている。 自分がかなり周りから浮いている存在だと。 髪の毛は染めたわけではなく普通に地毛、これは母親譲り。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加