‐僕は力を手に入れた‐

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「春も関係があるのか?」 何も関係ないじゃないか。 アビリティーを発現もしてないのに。 春の方を見る。 やっぱり何のことか、サッパリらしい。 何が言いたいんだ?創のやつ……。 「黒の翼に連れて行かれそうだったんだ。すでに発現しているか、もしくは、素質のある人間だったか」 なるほど…。 あれ? 「僕は連れて行かれなかったぞ?」 「そこら辺はよく分からない」 曖昧に返事する。 今の会話で一番疑問なんだが。 「とにかく、どこで発現するか分からない。人混みの中でさっきの蓮君のようになれば周りの人が死んでしまう」 「ほぇー」 いつものコトだが、春はのんきだ。 待てよ?周りの人が死んでしまう? さっき人が死んでた可能性があったのか…。 恐ろしい力だ…。 「僕は周りに気を使って力を落として戦ったと言うのに、君は全く考えずに行動をする!!」 結果的に撤退してくれたからから良いじゃないか! 心の中で、大声で叫んだ。 「まあ、とにかく、君はアビリティー許可申請をしておくんだ。分かったな」 「へいへい」 えらそうな言い方が腹立つわ。 まったく! 「春!帰るぞ…春?」 くぴー、すぴー。 椅子に座ったまま寝てるー!! 「起きろよ!春!」 「はい!?火事!?」…………何言ってんだ? どんな夢見てたんだよ。 「教室帰るぞ!」 「はーい」 あ、教室はブッ壊れてるんだった。 大丈夫かなぁ…。 「創はどうするんだ?」 「一時寝ておくよ」 寝て治るケガなのか…? 「じゃあな」 そう言って保健室を後にした。 いろいろ、複雑な気持ちだ。
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