‐僕は力を手に入れた‐

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「春がどうかしたのか?」 何だろう? 聞くのが少し怖い…。 『アビリティーが発現した』 なにぃい!? 『気にすることはない。力の暴走はすぐに収まった』 「何でお前が見たような口振りなんだ?」 『目の前で発現したからだ』 ……‥何で? 『どうしても発現させたい、と自分から志願してきた。だから、素質のある人間のみ、強制的に発現させる薬を飲んでもらったよ』 「どうして?」 『理由は話してくれなかったよ…』 どうしてだよ…。 何でわざわざ危険なことするんだ!? 『しかし、彼女、才能があるんじゃないかな?直ぐに体が慣れていったよ』 「そうか。分かった。また明日」 プツッ…ツーツー。 何でそんな危険なこと…。 危険を冒してまで、通す理由があるのか? ………。 僕にも分からない。 春がそんなことをする理由。 僕は電話で聞こうと、ダイヤルしようと思った。 ………………。 ダメだ! 創に話せなかったんだ。 僕に話すはずが無い。 ………。 僕も、待とう。 春が話したくなる時を。 それが最善だと思った。 今日は明日に備えて寝よう。 ちょっと待てよ? 明日学校あるよな? 集会は公欠扱いしてくれるのか? そんなことを考えていると、創からメールが来た。 『明日から学校は休校です。自宅学習でお願いします。』 休校か…。 まあ、学校は半壊状態だからね。 当たり前と言えば、当たり前だ。
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