‐僕は力を手に入れた‐

6/13
前へ
/102ページ
次へ
「僕ちょっと行きたい所あるから良いか」 「私もついて行っちゃダメ?」 「え、あぁ良いけど」 僕たちは、保健室を目指した。 ガラガラ…。 「創。いるか?」 部屋を見渡す。 「ここにいる」 隅のベットに、胴体が包帯ぐるぐる巻きの状態で寝ていた。 「ちょっと話がある」 椅子を持ってきて近くに座る。 「何だい?急に」 「さっきの事に決まってんだろ」 聞きたいことが山のようにある。 「一つ目。黒の翼が来ることを知ってたな?」 「ああ、知ってた…」 「じゃあ何で言わなかったんだ!?」 僕が言うと、創は向こうを向いてしまった…。 「まさか、ここに来るとは思ってもいなかった」 「は?」 意味の分からない返事。 知ってたって、言ったじゃないか。 「『ACO』からは黒の翼が動く可能性があるから、としか言われて無かったからだ」 ACO?何それ? 聞いたことが無い。 「アビリティー管理機関の事だ。君もコレから所属する事になるだろう」 「はい!?何で!」 創がやれやれ、と言うかのようにため息をする。 分からない事聞いて何が悪い! 「ACOはアビリティーの所有者は入るのが義務づけられている」 そうなのか…。 「じゃあ何で、創が太刀打ち出来なかった相手に俺は傷を負わせた?僕の方が強いのか?」 自信げに言ってみたが。 「アビリティーを発現してから、最初の一撃だからだ」 何でだ? 関係無いと思うけど……。 「負け惜しみ?」 「最初は自分の力を制御出来ない。そんな状態で全力で切りかかっただからだ」 「今は?」 「体がなれて制御出来てるよ。右腕はもう光っていないだろ」 確かに、体の感覚もいつもどおりだ。 「後は杉崎さん。僕から聞きたいことがある」 「え?あたし?」 え?何で? 怪我もしてないみたいだし、今回春も絡んでるのか?
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加