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バッシャーン 変わった形状の扉をこじ開け、やっとの想いで脱出に成功したその時だった。 想像以上の高さに、落下の瞬間は身体がバラバラになるかと思ったが、落ちた場所は浅い水面で泥濘だったため、深い傷を負うことなく済んだ。 しかし、真っ暗闇には違いない。 まだまだ安心は出来ない… ザザーッ 『ちっ  こんな時にスコールに  見舞われるだなんて・・・』 泥濘に足を取られながらも、必死にもがき進む。 『ん?』 身体に違和感を感じ、水面に映った自分の姿を見て愕然とする;;; 『ひ、皮膚が溶けてやがる…』 このスコールはキツい酸性雨なのか? 混乱する頭を整理する間もなく、同じように脱出してきた仲間が次々と降ってくる。 グチャッ 『うわっ』 落ちる場所が悪かった仲間の一人が、無残にも粉々に砕け散る。 『なんてこった・・・  せっかく  暗く狭いあの場所から  抜け出せたのに・・・』 一瞬の静寂のあと… スコールが止み、一筋の光が射し込んだ。 俺の目に映ったのは、足下の泥濘の正体・・・ さっきの仲間と同じように無残な死を遂げた先人達だった。 『………………………。  もうダメだ…』 薄れゆく意識の中、さらに自分の身体が溶けていくのを感じる。 もう、それすら心地好い… 『最後に…  外の世界を見られて良かった』 また激しいスコールが降ってきた。 彼の死を嘆くように… サブタイトル: 【ウ○コの生涯  in ぽっとん便所】
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