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微妙な雰囲気が四人を包んでいた時、会場に大会開始を知らせる放送が響き渡った。
「始まるみたいだな。でもよ、クラスカラーが赤って、なんか燃えるよな!」
赤いユニフォームに良く合うオレンジ色の髪を掻き揚げながらクラッドが言った。
今大会はクラスカラーによってどこのクラスの生徒なのか一目で判るようになっている。
A…赤、B…青、C…黄、D…緑となっているため、四人共赤いユニフォームを着ている。
「クラッドは赤似合うもんね」
キラカは準備体操といった感じで伸びをしながら言った。
その様子を見てシークは首を傾げた。
「ん、キラカ何試合目だ?」
「一試合目だよ」
だから準備体操してるんじゃん、と言いたげなキラカに三人は呆れながらも、慌てたようにそわそわしだした。
「一試合目って…!」
エルナは口をぱくぱくさせながら会場の中心部を指差した。
「あ…」
そこには既に赤いユニフォームの生徒が一人と審判らしき大人の姿があった。
「キラカ、お前急げよ!不戦敗になるぞ!?」
そうは言うものの、今1A専用観客席にいるキラカは、正規のルートでは間に合わないだろう。
「って、どこ行くんだ!?」
そんな中キラカは当たり前の様に観客席最前列の手摺に足を掛けていた。
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