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倒れた少年はぴくりとも動かず、それに審判が歩み寄る。
「気絶してるな。勝者キラカ・ライラック!」
意識の無い少年が運ばれて行くのを見送るとキラカはシーク達の待つ観客席へと戻った。
…………………
「なんか、キラカ遊んでるみたいだったな…」
「相手も相手だし、しょうがないんじゃない?」
観客席からキラカの試合を見ていた三人は、あまりにも地味な試合を見てため息を吐いていた。
「あ、キラ君!」
そこに試合を終えたばかりの笑顔のキラカが合流する。
「あー疲れた」
「嘘だろ」
キラカの雑な嘘にすかさずクラッドが反応する。
シークは二人のやり取りを一瞥すると、視線を三年生の試合へと戻した。
「何見てるの?」
エルナはシークの視線を辿り、キラカの試合と同時に開始されていた三年生の第一試合に目を留る。
「三年生の試合、やっぱり迫力あるな」
「へぇ、流石先輩ってかんじだね」
そこでは二人の生徒の上級魔法の撃ち合いが繰り広げられていた。
「オレそろそろだから行くわ!」
クラッドは、いつの間にか三年生の試合観戦に加わっていたキラカを含めた三人にそう伝えると、足早に観客席から出て行った。
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