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「キラカ、他の店行かないか?」
「えー、やっと見つけたんだから」
そう言うが早いか、キラカはしゃべり続ける店主の横をすり抜けて店の奥へ入ってしまった。
シークも自分の要望を優先してくれたキラカを置いて別の家具屋に行くなどという訳にはいかず、入り口にある古びた机の埃が新しい制服に付かないように、細心の注意を払いながらキラカの後を追った。
…………………
「ありがとうごさいました!兄ちゃん達、また来てくれよ!今度はもっといいもん仕入れとくからよ!なんなら欲しいもの言ってくれよ、そしたら次までに…」
店主の圧力により、このままでは何か買わされてしまうと思って、先に店の外で待っていたキラカの元に買い物を終えたシークが合流する。
「ちょうどいいのがあって良かったね」
シークは一人用の小さめの机と、その高さに合う椅子を二脚買った。机と椅子は寮に届けてくれるらしく、重い荷物を持って歩かなくてよくなったため二人は手ぶらである。
「あぁ、もう二度と行きたくないけどな」
「ははは」
この時ばかりはキラカも苦笑いを浮かべた。
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