第七章 †大会初日†

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「それにしてもこれ全部お前が作ったのか?」  シークは、他の三人よりも明らかに量の多い皿の前に座るキラカを見た。 「うん」  キラカは短い返事を返すと、一口大に切った、唯一の肉料理であるステーキを頬張った。  クラッドが目を覚ますのを待っていた三人に応えるように、予想を大きく上回る早さで意識を取り戻した彼を連れ、怪我人を独りにするのは可哀想だ、というエルナの提案により、キラカの部屋でみんなで食事をする事となったのだ。  キラカの部屋をリクエストしたのは他でもないクラッドである。 「だから言ったろ?キラカの料理すっげー旨いんだって」  クラッドはまるで自分の事のように嬉しそうに料理を誉め、口に運ぶ。  それに対してキラカは、料理が趣味だからこれ位は普通なのだと謙遜した。 「趣味の範囲を超えてるな」  貴族の暮らしにより舌の肥えたシークまでもを唸らせる彼の料理は、瞬く間に消えていった。  食事を終えた三人はそれぞれの部屋へ帰る様子も無く、明日以降の試合について話し始めた。 「明日はクラス内の準決勝、決勝だけね」 「キラカとヒス・カーマイン、俺とニック・ジョンブリアン」  シークは机の上に広げた対戦表に目を落とした。
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