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「あ、ここなんかありそう」
キラカの視線の先には如何にも古そうな、寂れた古書店があった。
「でも、やってんのかこの店、って、おい!」
またもやキラカはシークを置いて単独で店の奥へ入って行く。
それにシークも渋々続く。
古びた本棚には埃の積もった背表紙すら読めない本が所狭しと並んでいる。
「ここかなり古そうだが最近の教科書なんてあるのか?」
「うーん、これなんてどうかな」
キラカが持っているのはおそらく十年近く前のもの。ところどころ表紙にシミがついていて色褪せてしまったのか、元々なのか、茶色だ。
「まぁ、使えなくはないな」
「でしょ?それにこれ位ならなんとかなるよ」
その後も似たような状態の教科書を数冊買ったが、料金は新品の教科書二冊分にもならなかった。
「中古ってすごいんだな」
「本当に。いい買い物したよ」
二人はその後も寮に戻る道すがら、様々な店を覗いて歩いたが、余分な金をあまり持ち合わせていなかった為、特にこれといった買い物はしなかった。
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