第一章 †魔法学校†

13/19

159人が本棚に入れています
本棚に追加
/206ページ
 翌朝シークはキラカの部屋の前にいた。 「あ、おはよう」  キラカはドアの前に人が立っているとは思わず、驚いて目を一瞬見開いてから、いつものように微笑んだ。 「おはよう。悪いな朝から。なんていうか、一緒に行かないか?」  シークの言葉に一瞬キョトンとしたが、すぐに合意する。 「うん。僕もそのつもりだったし」  キラカの言葉を聞いたシークは、そうかそうかと呟きながらキラカに背を向けて歩き出した。  素直じゃない。キラカはそんなシークを見て、彼にばれないようにクスッと笑うと、後を追って歩き出した。 ………………… 「今日の授業って実技もあるんだよな?」 「うん。でも生徒たちの実力を診る程度だって聞いたよ」 「そうか。じゃあそんなに意気込まなくてよさそうだな」 「シークは実技自信あるの?」 「まぁ、それなりにな。キラカは?」 「僕もそれなりにね。」  二人はその後もたわいない会話をしながら教室にたどり着き、自分たちの席へ腰を下ろした。  すると二人の前に見慣れないオレンジ色の髪の少年が現れた。 「なぁオレ、クラッド・バーミリオン!友達になろうぜ!」  オレンジ色の髪の少年、クラッドは金色の瞳を輝かせて、両手を二人に差し出した。
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加