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翌朝シークはキラカの部屋の前にいた。
「あ、おはよう」
キラカはドアの前に人が立っているとは思わず、驚いて目を一瞬見開いてから、いつものように微笑んだ。
「おはよう。悪いな朝から。なんていうか、一緒に行かないか?」
シークの言葉に一瞬キョトンとしたが、すぐに合意する。
「うん。僕もそのつもりだったし」
キラカの言葉を聞いたシークは、そうかそうかと呟きながらキラカに背を向けて歩き出した。
素直じゃない。キラカはそんなシークを見て、彼にばれないようにクスッと笑うと、後を追って歩き出した。
…………………
「今日の授業って実技もあるんだよな?」
「うん。でも生徒たちの実力を診る程度だって聞いたよ」
「そうか。じゃあそんなに意気込まなくてよさそうだな」
「シークは実技自信あるの?」
「まぁ、それなりにな。キラカは?」
「僕もそれなりにね。」
二人はその後もたわいない会話をしながら教室にたどり着き、自分たちの席へ腰を下ろした。
すると二人の前に見慣れないオレンジ色の髪の少年が現れた。
「なぁオレ、クラッド・バーミリオン!友達になろうぜ!」
オレンジ色の髪の少年、クラッドは金色の瞳を輝かせて、両手を二人に差し出した。
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