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シークが突然の訪問者に戸惑っていると、キラカはそれを一瞥してクラッドの手を取った。
「よろしくね。僕はキラカ・ライラック」
キラカが目でシークに自己紹介をするよう催促すると、それに気付いたシークは慌てて口を開いた。
「あぁ、俺はシーク・ウイスタリア」
シークもクラッドと握手を交わした。
クラッドは二人の手を握っていた手を放すと、シークの後ろの席へ回り込んだ。
「オレ席ここなんだ。昨日おめぇらが楽しそうに会話してんの見てて、今日話しかけるって決めてたんだ」
どうやら、念願の新友と喜びを分かち合いたいらしく、二人の間に机から身を乗り出して金瞳を輝かせている。
シークはウイスタリアの名を聞いても特に反応しないクラッドに少し安堵しながらも、なんか騒がしいヤツが増えたなと思い、頬をひきつらせていた。
一方キラカはクラッド程ではないが、新たな友の誕生を喜び微笑んでいた。
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