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「いるよ。多分…」
キラカは静かに言った。
「俺もいると思う。っていうよりも、いてほしい。なんかさ、ウェールの森での出来事をただの怪奇現象で片付けてほしくないんだよな」
シークもキラカ同様、静かに言った。
だが
「やっぱいんのかなぁ、一度会ってみてぇ」
クラッドは今が授業中であることを忘れてしまったのか、普通のボリュームで言葉を発した。
「バーミリオン黙れ」
案の定、鋭い視線がオレンジ頭に突き刺さる。
クラッドはクラス中の視線が自分に向いていることに気付くと、肩を竦めて小さくなった。
「オレだけかよ」
クラッドが共犯者の二人にだけ聞こえるように囁くと、優しい苦笑いと、憐れみの視線を向けられるのだった。
「えー、次は魔具について。魔具っていうのは主に、多すぎる魔力を抑えるときに使用する。例えば、魔力量は申し分ないんだが、魔術のコントロールは今一。そういう時に魔具を装備すると魔力が抑えられる分魔術のコントロールがし易くなるわけだ。又、魔力量が多いほど相手に気配を感じられやすい。まぁ、ある程度の技量があれば自力で魔力を抑える事もできるが、決して楽な事ではない。よって、この様な場合も魔具を用いることがある」
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