第二章 †実技の授業†

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 午前中の授業を終えて、昼食の時間をはさむと、入学式が行われた体育館とは別のもう二周り大きな"第二体育館"へA・B二クラス単位で移動している。  行ったことの無い場所に行くのはそわそわするもので、廊下は一段と騒がしい。 「実力を見るって、どうやって見んだろうな」  心なしか、気持ちが沈んで聞こえる。  クラッドは先ほどまで実戦をやる気満々でいたため、シークに今日は実戦ではないことを聞かされて、出鼻を挫かれたのだ。 「うーん、使える属性とか調べるんじゃない?」  一方のキラカはなんだか楽しそうである。 「つまんねーよ。やっぱさ実戦だよな!あぁ、体動かしてぇ」  クラッドは両手を頭の後ろで組んでうなだれた。 「まぁ、見たかんじクラッドって体育会系だよな」 「うん、頭弱そう」 「おめぇらなぁ」  クラッドは歩いている二人を追い越して前に躍り出ると、耳に着いた青いピアスを揺らして振り返った。 「確かにオレは体育会系だ!けどな、頭もそんなに悪くないぜ!」 「綺麗なピアスね」  クラッドの荒々しい声とは真逆の透き通った高い声はキラカとシークの後ろから聞こえた。 「私、同じクラスのエルナ・ラテコッタ。よろしくね」  金髪ポニーテール、茶眼のエルナは廊下の右側を歩いていたキラカの横から顔を出した。
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