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「僕はキラカ・ライラック」
「俺はシーク・ウイスタリア」
二人はエルナに自己紹介を終えると、少し前を歩いているはずのクラッドをそのままにして彼女と談笑を始めた。
その光景はキラキラと輝き、正に少女マンガの様である。
「なっ!おめぇら抜け駆けしやがって!エルナさん、ボクはクラッド・バーミリオンです!」
突然目の前で紳士のようで、そうでない振る舞いをするクラッドにエルナは苦笑いを浮かべる。
「さんなんて付けないで。クラスメートなんだから。ところで、私も一緒に行っていいかしら?」
エルナは茶色い瞳をキラカに向ける。
「もちろん。いいよねシーク?」
キラカはエルナの問いに微笑むと、シークに同意を求めた。
「あぁ、別にいい」
シークは照れているのか壁側に顔を向け、右頬を掻いている。やっぱり素直じゃない。
「ねぇ、エルナは実技の授業何やるのか知ってる?」
キラカは先程からの話題の中心である、次の授業について尋ねた。
「私も人が話しているのを聞いただけなんだけど、魔力測定をするらしいわ」
その言葉を聞いた瞬間、キラカの表情が一瞬曇ったのをシークは見逃さなかった。
「あとは使える属性を調べるのと健康診断もやるって聞いたけど」
エルナは目線を天井に向け、記憶を辿る。
「そうなんだ。やっぱり詳しくは分からないよね」
キラカは最初と同じように微笑んでいた。
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