第二章 †実技の授業†

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 そうこうしている内に四人は第二体育館の前まで来ていた。 「でけぇな」  クラッドが右手を目の上に添えて体育館を視野に納めようとのけぞった。 「二クラス入るには十分すぎるな」  シークはのけぞったままだんだん後退していくクラッドを一瞥すると、そのまま体育館に入って行った。その後にエルナも続く。  ほったらかしのクラッド、それを何の躊躇いも無く置いていくシーク、敢えて何も言わないエルナにキラカは思わず苦笑いを浮かべた。 「クラッド、置いてっちゃうよ?」  キラカに声をかけられたクラッドは、はっとした表情になり、慌てて三人の後を追った。 ………………… 「皆さん、これから魔力測定、属性審査、身体測定、面談を行います。では、番号順にならんでください」  アリスの声がざわつく体育館に響く。  どうやら、番号順に測定していくようだ。  体育館にはアリスの他に白衣を着た医務室の先生、熱血大男のような先生、その他とくに特徴のない先生が二人いる。 「魔力測定では魔力の量を、 F・E・D・C・B・A・S・SS・SSSの九段階に、属性審査では七属性で何が使えるのかを調べます。又、例年の平均は"魔力B・三属性"です。参考にしてみてください。では、私のクラスの生徒たちは魔力測定、属性審査の順に、シアン先生のクラスの生徒たちは面談、魔力測定の順に測定します」  熱血大男、もといシアン先生は隣のB組の担任教師である。  困った。指輪と腕輪は兎も角、ピアスを取れと言われたら誤魔化しきれる自信が無かった。  キラカは左耳に付けた赤いピアスに触れた。
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