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「よかった。なんとか誤魔化せたな」
キラカは安堵のため息を吐きながら額に滲んだ汗を拭った。
魔具の気配を感じるとは、流石SSクラス。指輪より感知されにくい腕輪には気付かなかったみたいだが。そう苦笑いを浮かべると次の属性審査の為に移動を始めた。
…………………
「次、キラカ・ライラック」
先程と同じようなカーテン越しに名前を呼ばれ、中に入ると、今度は七色の玉が机の上に並んでいた。
「一つずつ握って魔力を流してくれ」
無愛想で特に特徴の無い教師が早くしてくれと言わんばかりに右足を小刻みに揺らしている。
キラカは左端にあった青い玉から握った。
…………………
全ての測定を終えたキラカは体育館の外の階段に腰を下ろしてシーク達を待っていた。
頬を撫でる風が気持ちよく、上空を流れる雲に口元が緩む。
「キラカ此処にいたんだな」
振り返るとシークとエルナが立っていた。
「あれ、クラッドは?」
てっきりクラッドも一緒だと思ってたキラカは、あの目立つオレンジ頭を探す。
シークは隣に立つ自分の胸ほどしかないエルナを一瞥すると、溜め息混じりに口を開いた。
「あぁ、あいつは面談が長引いているみたいだから先に出てきたんだ。それに、外で待っているお前が見えたからな」
どうやら、なかなか面談から帰って来ないクラッドを待っていたシークは、エルナにキラカが見当たらないということを聞いて探していたようだ。
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