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別に待つくらいいいのだが、そんな心遣いに思わず口元が緩む。
「じゃあクラッドがなかなか終わらないなら、先に教室に帰って待ってようか」
シークは体育館を覗き、中にクラッドが居るであろう面談用カーテンの様子を探る。
「そうだな。まだ暫くかかりそうだ」
…………………
「でさぁ、それからずっと説教だぜ?まじねぇよ」
クラッド曰わく、面談の時に態度を注意され、軽く受け流そうとしたらまた注意され、挙げ句の果てに人生について語られたらしい。
「それは不運だったわね」
エルナは哀れなクラッドに慰めの言葉を述べた。
「でも、それはクラッドが悪いよね」
「同感だ」
「おめぇらに同情の言葉は期待してねぇよ!」
クラッドはふてくされたように言い放つと、何か思い出したのか、次の瞬間パッと表情が明るくなり、ちょっと得意げに喋りだした。
「それよりオレさ、魔力Aだったぜ!凄くね!?」
「残念だったな。俺もAだ」
シークはクラッドの肩に手を置くと悪戯っぽく微笑んだ。
「二人とも凄いのね。私はBだったわ」
エルナは友人二人との差に肩を落とした。
「でも僕らの平均はBだから、そんなに落ち込むこと無いよ」
確かにAとBの差は実際結構広いが、Bだって決して魔力が少ない訳ではない。
「キラカはどうだったんだ?」
シークの言葉に三人の視線がキラカに集中する。
なんだかとても言いづらい。だが、言わないでいるのも如何なものか。
「…えっと、S、かな?」
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