第三章 †魔術†

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「今日は皆さんの魔術を見たいと思います」  入学式から早一週間。  本日、実技の第二回目の授業は魔力測定の時と同じ第二体育館で行われている。アリスの声をHL以外で聞くのは久々である。 「待ちに待ったぜ実技!」  クラッドはやる気に満ちた瞳をメラメラと燃やしている。 「そうだね。まさかあれから一週間も実技の授業が無いとは思わなかったよ」  それは皆同感で、自信のあるものほどうずうずしたに違いない。 「皆さんペアを作って下さい。そのペアは今学期一杯変えませんから、そのつもりで」  突然のペア作り命令に周りがざわめきだす。 「エルナは他の子とすでに組んじまってるし…」  何か考え事をしていたクラッドは、ポンと手を叩いた。 「よしキラカ、オレと組まね?」 「僕は別にいいけど」  クラッドはキラカの返答を聞くなりクルッとシークに振り向いた。 「わりぃなシーク」  クラッドは片目を瞑ってシークに手を合わせた。 「あぁ、構わない。もうペアいるんでな」  そう言うシークの隣には彼の胸より少し低いくらいの背丈の少女がいた。  更に、会話をしている三人を囲うように十数人の女生徒が目を輝かせている。
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