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初等科、中等科の魔術の授業では質や威力よりもまず、発動できること、コントロールできることを重視する。そのためクラッドは風の密度、火の温度については知らなかったと言える。
「でも、ライラック君は知っていたようね。16歳で白黄の炎を放てる子はそうそういないわ」
アリスは関心した様子でキラカを舐め回すように見た。
「キラカやっぱすげぇな!」
「いや、たまたま知ってただけだよ。クラッドならすぐに温度が上がると思うよ」
キラカは左頬を掻きながらアリスに視線を戻す。
「先生、何を見せればいいんですか?」
「あなた達の持っている属性のそれぞれの最大の魔法を見せてもらうわ。どっちからやる?」
アリスはクラッドとキラカの顔を交互に見た。
「オレからやっていいか?お前の後だと落ち込んで出来なくなりそうだ」
クラッドはキラカの返答を待たずに耐魔石に右手を翳した。
「まず火から…」
クラッドはそう言うと耐魔石を真っ赤な炎で包み、炎を消すと数歩下がり、今度は風の刃を放った。それは先程の練習時よりも少し速度が増していて、クラッドの飲み込みの早さが窺える。最後に両手を向かい合わせに構えると、その間を弱々しい電気がパチパチと音を立てた。
「火と風は中級、雷は初級ね」
アリスは生徒達の記録が書かれているであろうファイルにペンを走らせる。
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