第三章 †魔術†

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 クラッドと入れ替わり、キラカは耐魔石に手を着いた。 「………」  キラカは一度瞳を閉じて集中すると、再び開いた。 「いきます」  耐魔石を白黄の炎で包む。炎を消すと、次に、キラカが手を着いている所から氷が広がり、耐魔石を氷漬けにした。手を離すと、氷は一瞬で溶けて、キラカの足元は水浸しになった。次に、数m下がると今度は左手を振り上げ、風の刃を数個放ち、振り上げた左手を胸の前に伸ばすと、指先から光の光線を耐魔石に放った。  ふぅ。やっぱり他属性を連続して使うと疲れるな。キラカはため息を一つ吐くと、アリスの方へ振り向き、周囲を見てぎょっとした。 「あいつすげーな」 「ライラックってうちのクラスじゃん」 「なになに?何かあったの?」  いつの間にか周りには他の生徒達が集まっていて、キラカの魔術を見学していたのだ。 「四つ全て使いこなせる、素晴らしいわ。」 「はは、ありがとうございます」  キラカは左頬を掻きながら苦笑いを浮かべた。 ………………… 「キラカ、モテモテだな」 「違うよ…」  キラカはシークにからかい返されて、気怠そうに呟いた。
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