第三章 †魔術†

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 周りには瞳を輝かせた女子達、ではなく男子達が羨望の眼差しをキラカに向けていた。 「俺も見てたけど、他属性をあんなに早く連発するなんて凄いな」  シークは心なしか、嬉しそうに言った。 「ほんとだよな!オレ、ペアで鼻が高いぜ」  クラッドも嬉しそうである。 「えー、そんなに凄かったの!?私もキラ君の見たかったな」 「「キラ君!?」」  エルナの発言にシークとクラッドは己の耳を疑った。 「僕も初めて呼ばれた」  当のキラカも初耳のようだ。 「うん。今初めて呼んだもの。」  エルナは駄目かしら?と言いたげに首を傾げた。 「じゃあシークは?」 「シー君」 「オレは?」 「クラッドはクラッドでしょ?」 「オレだけまんまかよ」  エルナは再び、何か問題でも?と言いたげに首を傾げた。 「まぁいいや。ところでキラカ、この後時間あるか?」  エルナの方を向いていたクラッドは勢いよくキラカの方へ顔を向けた。 「?、大丈夫だけど…」 「雷!見てくれよ。見ただろオレの雷魔法。一番苦手なんだ」  クラッドは肩を落としながらため息を吐いた。 「雷?キラカ雷使えたっけか?」  雷という単語にシークがすかさず反応する。 「ううん、使えないんだけど、コツとかなら」  キラカはクラッドからシークへと視線を移す。
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