第三章 †魔術†

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 キラカは指先を顎に付けて思案する。 「うーん、そうだなぁ」  指輪…。はめたら感覚が掴めるかもしれない。キラカは左手の人差し指にはめてあった指輪をシークに差し出した。 「これ着けてもう一回やってみて」 「指輪?」 「うん。それ僕の魔具なんだけど、多分シークは雷の技術に対して、魔力が多いんだと思うんだ。だからそれで魔力を抑えれば、コントロールしやすくなるし、感覚も掴めると思うよ」  シークはキラカの指輪をまじまじと見る。 「って、キラカ、魔具なんて持ってたのかよ!」  シークの言葉に一瞬ハッとしたキラカだったが、 「母さんに貰ったんだ」  キラカは少し恥ずかしそうに微笑んだ。  シークは指輪を右手の人差し指にはめると、その手を握り締めた。 「魔具って凄いんだな。魔力が、なんて言うか、すっきりした感じだな」  シークは再び耐魔石に向かうと右手を翳し、稲妻を放った。それは先程のものとは比べ物にならない程太く、素早いものだった。 「すげー」  思わずクラッドが言葉を漏らした。 「指輪を外してやってみて」  キラカは淡々と指示を出す。  シークは指輪をキラカに返し、再度耐魔石に稲妻を放つ。すると、指輪を外したにもかかわらず、稲妻は太く、素早かった。
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