159人が本棚に入れています
本棚に追加
/206ページ
「できた…」
シークは自分の身に起こったことが信じられないらしく、唖然とした表情で自身の右手を見つめる。
「感覚掴めた?」
キラカはおどけた表情でシークの顔を覗き込んだ。
「あ、あぁ。キラカ、ありがとう」
シークは自分の顔を覗き込む薄紫の瞳を見据えて微笑んだ。
「キラカ!次オレな」
クラッドは掌を向かい合わせると、その間に電気を発生させた。
「うん、風の時と多分一緒だね。イメージだよ。今回は水飴をイメージしてみて」
「水飴!?雷なのに水飴なのか?」
クラッドは信じられないといった表情でキラカに聞き返した。
「そうだよ。こう、雷がネバネバするかんじ」
キラカは自分の両手を近づけたり離したりしながら言った。
「…分かった。やってみる」
クラッドは少々不安を残しつつ、両手の間に電気を発生させ、キラカの言うように手を近づけたり離したりしながら呟いた。
「ネバネバ…」
すると徐々に両手の間の電流が太くなり、ネバネバしているように見え始めた。
「やべぇ!ネバネバしてる!」
クラッドが両手を広げると両手の間を無数の電流が糸を引くように流れていた。
最初のコメントを投稿しよう!