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「それを耐魔石に放てる?」
キラカの問い掛けにクラッドは無言で頷くと、電流を練っていた両手を耐魔石に向けた。
「あ、あれ?」
電流はクラッドの掌から離れず、相変わらずバチバチと音を立てていた。
「やっぱダメかぁ。でも初級はこれでバッチリだね」
キラカは予想通りだったのか、ケロッとした表情で言った。
「確かに初級でもここまで雷を発生させたのは初めてだ。ありがとな」
クラッドは満足そうに両手を頭の後ろで組んで白い歯を見せた。
「でもさ、よく使えない属性のアドバイスなんか出来るよね。キラ君って何者?」
暫く後ろの方で静かに傍観していたエルナが顔を出した。
「何者って言われてもね…」
キラカは困ったように首を傾げる。
「そうだ、魔術見せて!私それが一番の目的なのにまだ見てないよ」
エルナは思い出したように茶瞳を輝かせた。
「じゃあ、何がいい?」
キラカは自分の肩程しかない金髪の少女に問い掛けた。
「水が見たいな。私光と水しか使えないから」
「水ね」
キラカはそう言うと耐魔石ではなく天井に手を翳した。するとキラカの手から5m程上空に直径2m程の氷の球体が現れた。
「すげー」
四人が上を向く中、クラッドの感嘆の呟きがこぼれる。
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