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苺の香が漂う中、キラカはふと窓の外に目を向けた。
ん?あの煙は何だろうか。
「ねぇシーク、あれ…」
キラカがシークの方を向いた瞬間
ドーン!!!
「うわ!何だ今の!?」
クラス中の生徒達が何事かと教室の窓から顔を覗かせる。
「爆発?」
「どこで?学校内なの?」
「見に行こうぜ!」
「お前ら落ち着け!指示があるまで教室から出るなよ!」
それぞれが口々に言葉を発するため、教室中が騒がしくなり教師の声もまともに通らない。
「なぁオレ達も見にいかね?」
「馬鹿。今、教室から出るなと言われたばかりだろ」
返事も聞かずに走り去ろうとしたクラッドの腕をシークが掴んだ。
「あれ、エルナは?」
教室を見渡しても彼女の姿は見当たらない。
「そう言えば、朝はいたのに今の授業はいなかったような」
キラカの言葉に二人は青くなった。
「まさかそんな訳…っておい!」
シークが最悪の事態を想像していると視界の中から二人が飛び出して行った。
…………………
鼠色の煙が立ち込める中、五人の少年達が次々と運び出される。
「手の空いている方は治癒魔法を施してください!」
緊迫した声が現場を駆け抜ける。
「私にも手伝わせてください!治癒魔法なら自信があります!」
教師達の中に混じって金髪の少女が負傷者の元へ駆け寄る。
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