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キラカはエルナの言葉にキョトンとした表情を浮かべる。
「だって、友達だし?ほっといたらエルナ一人で行きそうなんだもん」
エルナは一瞬言葉の意味が分からず固まっていたが、尚も明日の計画を会議している三人を見て無性に心が温かくなるのを感じ、頬を緩めた。
「ありがとう。もぅ三人とも大好き!」
エルナは三人の元へ駆け出すと、そのまま三人に抱きついた。
…………………
爆発騒動のため午後の授業は無くなり、四人は昼食兼会議のために小さな飲食店に来ていた。
「いつまでに必要なんだ?」
明日出発とは言ったものの、アズール火山が予想以上に遠かったようで、計画の立て直しをする事になった四人は、まず出発日の相談をしている。
「できれば五日以内に欲しいの。でないと、また一から作り直さなきゃいけないから」
「五日か…」
シークはエルナの言葉に表情を曇らせた。
「どうしたの?何か問題がある?」
そんなシークにキラカは首を傾げた。
「あぁ、今後一週間の天気が曇りなんだ」
「曇り?じゃあ平気じゃねぇか」
クラッドはステーキを頬張りながらシークに反論した。
「アズール火山の麓は鬱蒼とした森林になっていて、空が晴れていても殆ど日が届かないんだ。ましてや曇りの日なんかは暗くて危険だ。それからクラッド、口に物を入れたまま喋るな」
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