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クラッドの質問にシークは少し呆れたようにため息を吐いた。
「俺には闇がある。光とはちょっと違うが、まぁ兎に角暗くても見える」
シークの言葉にクラッドは落胆した。
「それじゃあオレだけ足手まといなのか?」
「じゃあ僕がクラッドにも魔法を掛けるよ。それならクラッドもいつも通り動けるでしょ?」
キラカは今にも泣きそうなクラッドを見て微笑んだ。
クラッドはキラカに救いの手を差し伸べられて、その手をしっかりと掴む。
「キラカ~!!お前って奴は!」
そこにシークが口を挟む。
「待て待て、キラカはそれで平気なのか?集中力もだが、魔力の方も」
シークの言葉にクラッドの表情が曇る。キラカはそんなクラッドを一瞥すると頷いた。
「大丈夫だよ。僕が動けない分はクラッドに頑張ってもらうから」
すると萎れていたクラッドはすっかり立ち直り、拳を握り締めた。
「任せろ!オレがみんなを守り抜くぜ!」
元気になったクラッドを見てキラカは嬉しそうに微笑んだ。
…………………
飲食店を後にし、シークとエルナとはそれぞれ用事があると言って先程別れた為、キラカとクラッドの二人で夕日を背中に浴びながら寮へと向かっていた。
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