第五章 †アズール火山†

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「氏名、年齢、人数、目的地、期間、武器の貸出かぁ、期間と武器はどうする?剣だけみたいだけど」 「期間は余裕を持って明日の昼くらいまでがいいだろ。武器は剣三本でいいか?」  シークは、既に腰に剣を差しているクラッドを見て言った。 「いいぜ。オレはこれを使う」  シークはクラッドの言葉を聞くと紙にペンを走らせた。  全て記入し終えると、男性の元へ持って行く。 「お、書き終えたか。ん、アズール火山?お前さんらあの山に行くのか?」  男性は片手に持っていた新聞を思わず床に落とし、驚いた顔で尋ねた。 「はい。薬草を採りに」  そんな男性にエルナがキッパリと答えた。 「やめといた方がいい。最近悪い噂が絶えないからな」  男性はどうにか引いてもらえないかと、諭すように言う。 「悪い噂って?」  キラカは首を傾げながら表情の暗い男性に問う。 「どうも人の言葉を喋る魔物がいるらしい。それも強力な魔術を使うって話だ。悪いことは言わない。薬草は諦めて帰りなさい」  男性の話に暫し重い空気が流れる。  人語を話す魔物。…まさかね。脳裏に浮かぶそれを頭の片隅に追いやると、仲間達に意見を求めた。 「どうする?」 「オレは構わないぜ」  クラッドはキラカの問いに白い歯を見せて言った。
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