第五章 †アズール火山†

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「キラカ!」  シークの声が砂煙の中に響き、三人の脳に最悪の事態が予想された。 「後ろからなんてヒドいな」  砂煙が治まると、胸に風穴が空き、既に息絶えた魔物と、いつも通り微笑んでいるキラカがいた。 「ん?どうしたの、早く行こうよ」  キラカはそう言うと森の更に奥へと歩いていく。 「クラッド、今何が起きた?」 「いや、オレには見えなかった」 「キラ君今消えた?」  三人は危機が一瞬にして過ぎ去った事に安堵しながらも、動揺していた。 ………………… 「見つからないね」  ゴリラもどきをキラカが瞬殺してから二時間程経った現在、四人は白い植物を見つけられずにいた。 「あれから魔物も見てねぇけど、薬草も全然見当たんねぇな」 「おかしいわね、そんなに珍しいモノじゃないんだけど…」  言葉数も減り、疲労の色が見え始めた頃、クラッドの耳が何かを捉えた。 「何かいるぜ、数も多いな」  徐々に大きくなる物音は三人の耳にも届いた。 「ほんとだ。クラッドよく聞こえたね。囲まれたみたいだ」  クラッドの獣並の聴力にキラカが関心する中、四人の周りには姿は見えないものの、殺気を放つ何かが集まって来ていた。 「お前ら油断はするなよ」  シークが言葉を言い終わる時には既に金属音が響いていた。
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