第五章 †アズール火山†

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 キラカは薬草を受け取ると、少し上にある男の緑の顔を見上げて言った。 「いつからこの森に?」 「お前がセピアの元を去ったすぐ後だ」  男の言葉にキラカは納得したように首を小さく数回縦に振った。 「じゃあ、あの後のセピアの事は分からないよね」  キラカは少し残念そうにため息を吐いた。  男はふとキラカの後方に視線を向けると、突然後ろを向いて歩き出した。 「もう帰るの?」 「お前の友が来る。我と居るところを見られたくないであろう?」  男は背中を向けたままそう言うと、次の瞬間にはもう居なかった。 「またね」  キラカは小さく呟くと、気を失ったままのシークの横にしゃがみ込み彼の頬をつつく。が、無反応である。 「やっぱ起きないか…」  キラカがシークの頭に手を翳すと、先程まで全く目を覚ます様子の無かったシークはうっすらと青紫瞳を開いた。 「大丈夫?」 「あぁ…!あいつは!?」  クラッドはそう言うとガバッと体を起こした。 「あいつ?僕が来た時には倒れたシークしか居なかったよ」  キラカが何を言っているんだという風にシークを見やると、聞き慣れた声が聞こえてきた。  姿を現したのは不機嫌そうなオレンジ頭と金髪の少女。 「良かった。二人とも無事だったのね」  エルナはキラカとシークの元へ駆け寄ると、キラカに指輪を返した。
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