第五章 †アズール火山†

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「もう寝ちゃった」  エルナは静かに寝息を立てるキラカを見て、ふと彼の服の袖からちらっと覗く物に気づく。 「これ何?腕輪?」  エルナはそっとキラカの左手の袖をまくった。  そこには銀に青で装飾された幅4cmくらいの腕輪があった。 「綺麗な腕輪…」  シークもキラカの腕輪に視線を向ける。 「なんか意外だな。キラカがこういう物を付けてるなんてな。…もしかして魔具か?」  シークは袖をまくられても起きない穏やかな寝顔を見る。 「でもキラ君ならあり得るよね。私、光魔法なら誰にも負けない自信あったのに、キラ君が使った光魔法知らなかったもの」  エルナは森の中でキラカが地面に施した光魔法を思い出していた。 「だが魔具三つって、本当に魔力Sなのか?」 「魔力測定でSって判定されたんだからSなんじゃないの?」  シーク達は、キラカが魔力測定で、指輪は外したが腕輪を付けたまま測定したことを知らない。 「ふあ、私も寝るわ」  そう言うとすぐにエルナからも寝息が聞こえ始める。 「俺たちはまだお互い何も知らないんだな」  シークはそう呟くと、眠りを誘う馬車の揺れに従い、静かに目を閉じた。
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