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「おまっ、起きてたのか?」
青紫の瞳が驚きと呆れで見開かれる。
銀髪の少年はクスッと笑い、頬を机から離すと、両手を上に伸びをする。
「隣の席なんだね。よろしく」
「俺の質問は無視か」
シークがうなだれているのを知ってか知らずか、銀髪の少年は微笑んだまま続ける。
「僕はキラカ・ライラック
キミは?」
黒髪の少年は、勝手に事を進めていく銀髪の少年に若干戸惑いながらも言葉を返す。
「シーク・ウイスタリア」
名前を口にした黒髪の少年は怯えた目で銀髪の少年を睨みつけた。
そんな視線をもろともせずに、キラカは笑顔すら崩さない。
「シークね、よろしく」
キラカは先程と同じように微笑んで、右手を差し出した。
「あ、あぁ。よろしく」
シークもそんなキラカに遅れて右手を伸ばし、二人は新しい友人となった。
シークは尚もキラカに視線を注いでいたが、その瞳には先程までの鋭さは無かった。
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