第六章 †秘密の特訓†

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「でも魔具ってめちゃくちゃ高いんじゃなかったか?」  キラカは左頬を掻きながら苦笑いした。 「そうだね。でも高い理由は魔術の高度な精度が必要っていうのもあるけど、それよりも装飾を覚えることがとても大変っていう点なんだ。魔具は一気に仕上げなきゃいけないから、お手本を見ながらなんて出来ないんだよ。僕は幼い頃に魔具を創っている人にお世話になってたから、魔具が身近だったんだ」  キラカはそう言いながら、右手に持っていた指輪をしまった。 「じゃあオレには無理だな」  クラッドは少し残念そうに呟いた。 「ねぇ、このことは内緒にしといてくれる?」 「何か困るのか?」 「だって16歳で魔具造れるって知られたら面倒だし」  するとクラッドはニヤっと口元を歪めた。 「じゃあさ、今はまだ必要ねぇけど必要になったらオレに魔具創ってくれよ!それなら黙っててやる」  キラカは一瞬ポカンとしたが、すぐに首を縦に振った。 「それくらいなら別にいいよ」 「まじ!?よっしゃ!」  クラッドは嬉しそうにガッツポーズをすると、何か思い出したのか、再びキラカに顔を向けた。 「今暇か?」 「ん?暇だよ」 「雷見てくれないか?」  クラッドの真剣な表情を見て、キラカも緩んでいた口元を引き締めた。
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