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体育館から校舎までは約50m、学校が始まるまでにはまだ二時間程あるが、先程まで見当たらなかった生徒たちをちらほら見受けられる。
「みんな特訓しに来たのかな?」
「そうだろ。なんたって魔術大会だぜ?って、もしかして…」
クラッドはキラカの困惑した表情に嫌な予感を感じた。
「キラカ、魔術大会って?」
「ん?」
「嘘だろ!?魔術大会の事何も知らねぇの!?」
クラッドはてっきり、キラカは大会の日程を知らないだけだと思い込んでいたため、再び衝撃を受けた。
「説明をお願いします」
キラカは申し訳なさそうに笑った。
「よく聞けよ?魔術大会は毎年年に一回行われる一大イベントで、参加は自由。生徒同士が一対一で魔術・体術を使って闘って、学年一を決めるんだ。トーナメント制だから、負けたら終わりだが、優勝すれば一年間学食タダ!どうだ、分かったか?」
クラッドは両手をグッと握り締め、力の籠もった金瞳でキラカを見つめた。
「つまり、優勝は各学年一人ずつの全部で三人。で、クラッドは学食のために頑張るの?」
「それもあるけど、結構偉い人達が見にくるんだ。上手くいけば、軍とか、ギルドとか、就職先の内定が貰えたりするんだ」
キラカはクラッドの、意外にも現実的な思想に驚きながらも、彼のしっかりとした一面を見て感心していた。
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