第六章 †秘密の特訓†

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「どう思う?オレの雷」  キラカは少し思案し、小さくため息を漏らした。 「威力は申し分ないかな。けど実際に戦闘で使うには溜が長すぎるから、発動時間を改善しなきゃね」  そう言ってキラカは耐魔石に歩み寄ると、クラッドに振り返った。 「これに手を着いて、直接電流を流してみて」  クラッドは言われた通り耐魔石に手を着いた。 「…流すってどうやんだ?」 「うーん、耐魔石を両手で挟んで、最初の要領で右手から左手に一方通行で流して」  クラッドが両手で耐魔石を挟むと、バチバチと音が出始めた。 「右手から電流を流したまま左手を離せる?」  クラッドは小さく頷くと、左手を耐魔石からそっと離した。しかし、バチバチという電気の流れる音は止まない。 「おぉ、成る程な。これが流すってことか」  クラッドは嬉しそうに口角を上げた。 「それを右手だけでできるようになったら、溜めなくても魔法を放てるようになるよ」 「ありがとな!大会までに仕上げてみせるぜ!」  クラッドは右手を握り締め、高い天井に叫んだ。  魔術大会か、面白くなりそうだ。キラカは大会に燃えるオレンジ頭を見て微笑んだ。
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