第六章 †秘密の特訓†

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 朝のHLが終わり、教室内は生徒達の話し声で賑わっていた。 「え、魔術大会って強制参加なの?」 「キラ君知らなかったの!?」  キラカは知らん顔をするクラッドを一瞥した。  参加自由だって言ってたから見物する気満々だったんだけどな、仕方がないか。 「オレだって知らなかったし、オレに訊いたキラカが悪い。大体、参加したくない奴なんているのか?」  キラカの視線を感じたクラッドは開き直ったように言った。  キラカがそんな理不尽なクラッドにため息を吐くと、シークが呟く。 「キラカとは当たりたくないな」 「私も。というより男子とは当たりたくないわ」  エルナは顔をしかめて、自信なさげに俯いた。 「やっぱりみんな優勝を狙うのかな?」 「そりゃそうだろ。少なくともオレはそうだ」 「俺も優勝を目指す。結果を出さなくてはならないからな」 「私はそこそこでいいかな。元々戦闘派じゃないしね」  四人それぞれ意気込みは違うが、大会まで残り一週間。時間が無いのは同じだ。 「そういう事だ、オレは今日から秘密の特訓に入るから、暫く別行動だな」 「それは俺も同じだ」 「じゃあ僕もそうしようかな」 「みんな特訓するの?…まぁいいわ。私は新薬開発の途中だから、そっちを完成させるわ」  こうして四人は大会当日まで別行動をとることとなった。
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