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クーリエ魔法学校の大会前一週間は、大会に備えて特訓しろという意味なのか、授業は午前で終わり、午後はそれぞれ自由に過ごすことができる。
この一週間は食堂が使えないという事を今朝知ったキラカは、昼食の食材を求めて市場に来ていた。
「おじさん、大根ちょうだい」
「あいよ、兄ちゃん自分で料理すんのか?」
「まぁね」
八百屋の男性の質問ににっこり笑って答えると、それを影から見ていた者がいたことには気づかず、次の店に移る。
「おばちゃん、鳥モモ肉ちょうだい」
「はい、鳥モモ。煮物かい?」
「はい」
キラカはにっこり笑ってお金を払うと、まっすぐに寮へと向かう。
…………………
部屋の扉に一瞬手をかけたが、小さくため息をこぼすと怠そうにその手を離す。
その際に買い物袋がカサカサと音を立てた。
「クラッド、何か用?」
キラカが声かけると、物陰から躊躇いがちにオレンジ頭が現れた。
「気づいてたのか」
クラッドは決まり悪そうに頭を掻きながら呟く。
「その頭、意識しなくても視界に入れば気付くよ。八百屋の辺りから附けてたでしょ?はぁ、お腹空いたなら入りなよ」
すると、その言葉を待っていたと言わんばかりに、クラッドの腹は大きな音を立てた。
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