第六章 †秘密の特訓†

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 自らに治癒魔法を施すキラカを見ていたクラッドは、小さく首を傾げた。 「火傷したのか?」 「うん。白炎の代償って知ってる?」  クラッドは目を上に動かし、記憶を探る。 「聞いたことある気がすんだけどな…。何だっけ?」 「まず、白炎は火魔法の最高温度の状態なんだけど、級は関係ないんだ。初級魔法でも白炎になるし、逆に温度の低い赤炎でも上級魔法を使える。強いて言うなら、上級魔法を使うよりも白炎を使う方が難しいかな。で、白炎を使うと、あまりの高温に体が耐えられなくて、威力と引き換えに術者もダメージを受けるんだ」 「つまり、白炎は強力だけど、自分もダメージを受けるってことだな?」  クラッドの言葉にキラカはにっこり笑って頷いた。 「まぁ、そんなかんじだね。そういえば、クラッド火得意だったよね?」  クラッドは自身の右手を見つめた。 「あぁ、上級は使えっけど、赤炎でしか使ったこと無いな」 「クラッドなら黄炎までならすぐに使えるようになるよ。黄炎の中級と、赤炎の上級は、威力はあまり変わらないから、使えるようになれば、今までよりも魔力の消費を抑えられるよ?」  キラカはクラッドが影の努力家であることを思い出しながら言った。
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