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「温度上げんの手伝ってくれるか?」
クラッドは若干控えめにキラカを見たが、当のキラカは嬉しそうに口角を上げた。
「もちろん。だって、そのための合同特訓でしょ?」
その言葉にクラッドはグッと拳を握り締めると、小さく息を吐いた。
「頼むぜキラカ!でもあれだな、オレばっか得してないか?この特訓」
キラカは一瞬目を丸くしたが、再び柔らかく微笑んだ。
「そんなこと無いよ。クラッドと一緒だから頑張れるんだ。一人だったら半日もこんな所に籠もって特訓なんてできないよ」
そう言って、ふと二人が窓の外を見ると、日はすっかり沈み、月が浮かんでいた。
「…ここって何時まで使えるの?」
「…やばいな。鍵の返却時間を一時間も過ぎてる」
二人は顔を見合わせ、互いに苦笑いを浮かべると、疲れを忘れたかの様に素早く片付けを済ませ、職員室まで走るのであった。
…………………
暗い夜道に、銀とオレンジの頭が並んで進む。
「まさか誉められるとは思わなかったね」
「あぁ、『時間を忘れて特訓だなんて、素晴らしい!』って、あの先生変わってんな」
職員室で待っていたのは、二人の担任のアリスだった。彼女は二人を叱るどころか、瞳を輝かせて誉めたのだ。
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