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喚起を終え窓を閉めると、キラカは焼けただれた左手を見つめた。
「毎回火傷じゃなぁ…」
一人呟きながらも、治癒魔法を施し、火傷を治す。
時計を見ると、短針はすでに右側に傾き、夜が終わるまでもう少し。キラカはため息を一つ吐くと、ベッドに潜り込んだ。
…………………
魔術大会三日前
魔術練習場には数日前と同じ、銀髪の少年と、オレンジ頭の少年がいた。
「よし、これで黄炎マスターしたぜ!」
クラッドは耐魔石を包む、自身の右手から放たれた黄色の炎を満足そうに見た。
「本当にマスターしちゃうとはね。やっぱクラッドは凄いよ」
キラカの言葉にクラッドは照れながらも反論する。
「白炎を使いこなすお前に言われてもなぁ。嬉しさ半減だ。だいたいなぁ…」
クラッドは苦笑いするキラカの左手を見て言葉を失う。
「あれ、お前今白炎使ったよな?なんで手何ともないんだ?」
キラカはクスッと笑うと、左手をクラッドの前に差し出した。
「見てて」
キラカは左手に白炎を灯し、消した。だが掌に火傷は無く、至って正常だ。
クラッドは目を丸くし、種明かしを催促した。
「光を使ったんだ。掌を光で覆っておいて、白炎を使う。そうすればいちいち火傷しなくて済むかなって」
キラカはあれから光と火を同時に使う練習を重ね、互いに抑制し合わない絶妙なバランスを習得し、白炎から自身を守る術を身につけていた。
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