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ぼくの前の席にいかにもそこが彼女の席であるかを主張するかのように我が物顔で座りだした。 「宮城くん、何してんの?」 「空見てる」 「トランプしよっ」 色んなことを彼女はぶっ飛ばした。質問しておきながら、その返答へのリアクションはおろか話を聞く体を見せずに、学校に持ち込みを禁じてあるトランプで何かをしようとしている。 あまりの返答にぼくは何を言えばいいか、言語をなくしたように黙り込んでしまった。 それでも屈託のない笑顔で、しまいには鼻歌なんか歌ったりして、こちらを見ている。 「もー、だから無視しんといてよー」 痺れをきらしたのか、少し眉を歪めてこちらを見ている。 「宇野さん、友達とやればいいやん」 「宮城くん友達やん」 素直な言葉にまたぼくは止まってしまった。なんだか心が温かくなるような気持ちがうまれた。でも、ぼくはそれを拒むような感情もそれと同時に生まれてきた。 「そーじゃなくて、女の子同士でって意味やから」 「いいやん、いいやん。やろーよ」 両肘を机に置いて、頬杖をしてぼくを見ている。 「それに友達違うし」 「宮城くんひどいー。何でそんなこと言うんさー」 この宇野さんの行動の意図がぼくにはわからなかった。
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