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「代議員、宇野のこと好きやんなー」 意地汚い声で男子生徒が言ってきた。 「・・・」 気に入らないのだろう。僕があまりに一人でいるために、一人でいる奴イコール、可哀想な奴という固定観念を押し付けているから。そんな奴がクラスでも可愛い宇野さんと仲良くすることは嫉妬心が煮えて仕方ないのだ。 「出来とる出来とるー」 黙り込んだ僕は机と対面するように首を下に俯ける。 宇野さんは流石に照れたように、男子生徒を見た後に僕を見る。それを何度も繰り返している。 「そんなん違うしーーっ!!」 テンパった宇野さんは大きな声を出した。 「男子、うるさいねん!!菫、困ってるやんっ!!」 宇野さんの状況に見るに耐えなくなった女子生徒たちが男子生徒たちに対して「サイテー」といった批判の言葉を投げつける。 それを受けて男子生徒たちはぶつぶつ不満を漏らしながら落ち着いた。 途端、何とも気まずい雰囲気が漂ってしまった。 「宇野さん・・・ごめん」 男子生徒たちと女子生徒たち共に黙りだして、チラリチラリとこちらを伺う視線に襲われながら、先ほどまで流れるように言葉を紡いでいた宇野さんも何て話を切り出せばいいか、むしろ意識されている状況に言葉なんて出ないようだった。 だから、謝った。行き着く言葉はたったその道一本しかないのだから。
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