代議員～触れ合うことが怖くて～

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先生が言い残した押し付けがましい言葉の意図は、掃除監督を任されたということだ。

あの担任の先生は野球部の顧問なのだ。うちの野球部の練習するためのグランドは校外にあるらしく、野球部専用のバスでその場所に向かうらしい。だから、野球部は決められた時間に出発するバスに間に合うために、みんな掃除は大体免除されている。

担任の先生もバスの出発に間に合うために掃除監督は出来ず、誰かがその代役を担わなくてはいけない。

そこで、代議員というものをこのクラスだけに先生がつくった。

代議員とは総会や大会など組織の最高議決機関の構成員として選ばれた人として使われるものだが、このクラスでは先生の手助けとして使われる。

率直に言うと雑用をさせられる、都合の良い人材を総称しているのだと思う、多分。

「代議員がんばってなー」

「代議員がんばれ～」

「あと、掃除よろしく～」

男女共にそう言い残してぞろぞろ帰ってしまう。僕はその投げ掛けられた言葉をいつものように受け流す。

僕はけして掃除当番ではない。掃除監督なんだ。ちゃんとした掃除当番はいるにも関わらず、いつからか僕が毎日のようにしている。

ローテーションで回っている当番が、いつしか固定化されていた。