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深い深い海の底。
それはそれは大きなお城がありました。
そこには、海の王様と6人の人魚のお姫様が住んでおりました。
6人のお姫様は海の世界では、とても美しいと評判で、とりわけ、一番末っ子のお姫様はそれはそれは美しかったのです。
そんな末っ子のお姫様は大人になるにつれて、海の上の世界に憧れるようになりました。
来る日も来る日も「海の上の世界に行きたいわ」と嘆くのでした。
16歳の誕生日の日、末っ子のお姫様はついに上に行く事を許されました。
末っ子のお姫様が海の上の世界に行くと、それはとても豪華な大きな船があったのです。
「わぁ、なんて綺麗なのかしら」と末っ子のお姫様が言うと、船の中から人間の青年が出て来たのです。
その金髪の髪にエメラルドグリーンの瞳の青年に末っ子のお姫様は、目を奪われました。
「なんて、綺麗な人間なんでしょう」
そう思ってしまったのです。
末っ子のお姫様が目を奪われえている隙に、空はたちまち曇り、嵐を引き起こしたのです。
そんな嵐に豪華な船は飲み込まれ、船に乗っていた人間は次々と、海へ放り投げられます。
それは、先程の青年も例外ではありません。
末っ子のお姫様は急いで海の中に潜り、青年を探して、そして、助けました。
海岸へとその青年を運んだ末っ子のお姫様は、その青年が生きているのか、とても心配になりました。
その青年はピクリとも動かないのです。
末っ子のお姫様がその青年が動くのをジッと待っていると、遠くから人間の気配を感じたのです。
末っ子のお姫様はとてもその青年が心配でしたが、人間に姿を見られることは、人魚の世界ではタブーとされているのです。
末っ子のお姫様は仕方なく、海へと戻りました。
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