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憑いていたもの
付喪神(九十九神)
付喪神と表記される事が多いが、本来は九十九神と書く。そして九十九とは、長い年月や経験、様々な種類の物を象徴する言葉。
つまり付喪神とは、その名の通り、長い年月を経た器物に神霊が宿り魂を得た神、或いは精霊と呼ばれる者達である。
彼らは人に災いをもたらす事もあるが、益をもたらす事もある存在として伝承され続けている。
一般的に付喪神とは、長い年月を経て魂を得た器物を指す。しかし本来は、長い年月を経て魂が宿るのは器物に限らず、森羅万象に通じる。
つまり、人間が日常に見られる光景の全てが、百年を経れば付喪神に成りうるということだ。
そう――。
100年を経れば――。
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