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ホロ酔いで、店を出た俺達を容赦なく寒気が襲う。
ミナミの街の灯りが、ぼんやりと光っている。
まだ微かに、人の生活臭が残る街──
生きる事の本質が街角にまだ辛うじて漂っている。
再会した旧友達は、今もこの街で泥臭くも腐らずに必死で生きている。
俺は、自分がなぜこの街を好きだったのか初めてわかった様な気がした。
「おい! お前、今日、全然、オモロイ事、言うてへんやないかぇ! 」
ツヨシがこてこての口調で言う
「ほんまやで! しょうもないわぁ! 」
キヨコもそう言って笑う。
「今度、会う時は俺が笑わせるよ…… 」
ネタはある。
俺が店を潰してしまい自殺まで考えていた事だ。
少しハード過ぎるだろうか?
もう一度、必ず大阪に来てその時はツヨシとキヨコを俺が笑わせよう──
そう思うと死ぬ気等、失せていた。
遠くで通天閣のネオンが間の抜けたテンポで点滅していた。
了
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