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話しに夢中になって、周りを見ていなかった私は前から来ていた人にぶつかってしまった。
『す、すみません!』
私が直ぐに頭を下げて謝るが、ぶつかった人からは返事が返ってこなかった為顔を上げた。
ぶつかってしまった人は私を無言で見ていた。
何故か私は、その人の瞳に吸い込まれていきそうになった。
『…あ、あの?』
「………」
終始無言のまま、その人は去っていってしまった。
「何なのアイツ?先輩は口の聞き方を知らないのかしら?」
『ええ!?あの人先輩だったの?………怒らせちゃったかな…』
「だーいじょうぶ!先輩になんか滅多に会わないんだから。」
『うん…』
里奈にはこう言われていたけど、私は凄く気にしてしまった。
あの吸い込まれていきそうになった瞳、今までに無い感じだった。
「……春菜?」
『ふぇ?………あ、ごめんね。今何て言った?』
一人考えていたら、里奈の話しが耳に入ってこなかった。
「もう。………先輩の事が気になる?」
私が考えていることは、親友の里奈には全てお見通しだった。
私はちょっと驚きつつ、直ぐに考えこみ里奈に答えた。
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