バレンタインⅡ

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昼休みになり、それでも私は公園に行くか悩んでいた。 本当は友達の声を聞きたかったが、少し前に子供がインフルエンザにかかったって言っていたので、それは憚られた。 それに、その時に「逃げちゃダメだからね」と釘も刺されている。 今、電話しても同じ事を言われるだろう。 私は開いた携帯を閉じ、バッグに戻すと、顔を上げて公園へと足を向けた。 何も考えず歩こうと思うのに、様々な想いが頭を過ぎる。 彼がいなければ良いのにという思いが浮かび、それならきっぱりと諦めようと考える。 それと同時に、いて欲しいという思いが浮かび、駄目だったとしても、この想いに区切りを付けなければ、とも考えていた。 結局、考えが纏まる事なく、公園は目の前だった。
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